【ウィキペディア】出典と注釈と脚注と関連書籍と参考文献と部屋干しとTシャツと私
【まずは基本】
Wikipediaの編集には出典を伴うことがルールで決められています。『検証可能性を満たせ』ということです。
つまり、ある項目に
『〇〇は✕✕である』
と書いたら、その典拠となる情報ソースを付加しろということです。
すると
『〇〇は✕✕である[1]』
のような表示になり、文章と情報源が紐付けられ、読者がより深く知りたい時の手掛かりとしても機能します。
【出典と注釈と脚注】
Wikipediaで言う出典と注釈と脚注とは、私なりに噛み砕いて説明すると……
出典:情報源。典拠。
注釈:内容に関する注意書き。注釈に対する出典が記される場合がある。
脚注:出典や注釈がまとめてあるところ。多くは欄外。
となります。
これがごっちゃになっている記事はたくさんあるので、違いを意識して、見出しも書式も分けてもらえたらなと。
もうひとつ気をつけたいのは、注釈に独自研究を書いてしまう場合です。
^ 1 ただし〇〇については、✖✖とする説もある。
などの注釈がついてる場合があり、読んだ人にとっては根拠があるのかないのかすらわからない状態になります。ですから注釈にも出典をつける方が好ましいでしょう。
【関連書籍と参考文献】
このふたつも統一されずに使われています。
こちらについてもWikipediaではこんな風に考えてねというポイントを私なりに書きます。
関連書籍(Related books):その項目をより深く知るにあたって、助けになるような資料だが、項目執筆には使用してないもの。発展資料(Further reading)を指す場合も。
参考文献(References):その項目を執筆するにあたって使用した資料。
ざっくりこんな感じなのですが、ここでも気をつけなければいけないのが『その項目を執筆・加筆していないのに、この本も役に立つよ、とばかりに関連書籍リストに加えていくのは、Wikipediaにおける振る舞いとしてはあまり良くないこと』ということ。
どうしてかと言うと、自分の関係する本を滑り込ませる人がいるからなんです。もっといえば中立的な観点かどうか推し量りにくいし、独自研究が入り込みやすい。
追記:
関連書籍のリストに入れたくなるほどの資料ならば、その資料を使って少しでも加筆しましょう。
これは『外部リンク欄』にも言えることで『ここを見るともっとわかるよ』というリンクを本来張るはずが、自分の執筆する観光ガイドへのリンクを観光地の項目に張りまくっていた人もいました。
こういうのはまあ、その、かっこ悪いし良くないことです。
【ケーススタディ】
ここで、出典と注釈と脚注と関連書籍と参考文献についての例として、ウィキペディア日本語版でとても評価の高い記事である「地方病 (日本住血吸虫症)」を見てみましょう。内容を読むのではなく、見出しに注目します。
地方病 (日本住血吸虫症) - Wikipedia 2019-02-05T07:49:10の版より
8 脚注
8.1 注釈
8.2 引用
8.3 出典
9 参考文献
「脚注」セクションの下に「注釈」「引用」「出典」のセクションが分かれて整理されています。
さらにその下のセクションは「参考文献」があり「関連書籍」のセクションはありません。
この記事の「出典」と「参考文献」の関係を見てみましょう。
"以下5点の文献を主に用いた。"
とある通り、主となる5つの文献があり、複数の著者による文献は、収録された個別のタイトルも付記してあります。
参考文献のトップには
・小林照幸、1998年7月20日発行、『死の貝』、文藝春秋 ISBN 4-16-354220-5
と記されており、この本からの出典は、
127 ^ 小林(1998) pp.9-17
128 ^ 小林(1998) pp.105
という風に整理されて書いてあります。
これらのソースを見てみると、当該箇所は単に
<ref>小林 (1998) pp.9-17</ref>
<ref>小林 (1998) p.105</ref>
と書かれています。
これらは
Template:Sfn - Wikipedia を使用して
{{Sfn|小林|1998|p=9-17}}
{{Sfn|小林|1998|p=105}}
のような書き方も可能です。
これらの方式はいずれも同一文献のいろいろなページを多数出典として使用する場合、とても便利です。
参考文献に書誌情報をしっかり書いておき、出典には略した形で記すという考え方です。
同一文献を多用する場合は、
<ref␣name="名前">書誌情報</ref>
も使用できますが、ページの指定ができないことから、この書き方はWeb出典などのほうが有効です。
【編集イベントでは・・・】
さて、どうしてこんなことを長々と書いているかと言いますと、ウィキペディア編集イベントにおいて、新規記事を作成するときセクションごとに担当を分ける場合があります。その時、この文献はきっとよく使うだろうという資料については、事前にミーティングボードに
「【小林照幸、1998年7月20日発行、『死の貝』、文藝春秋 ISBN 4-16-354220-5】は、【小林1998】で統一します。この本からの出典は、{{Sfn|小林|1998|p=〇〇}}って入れてください。<ref>とかは必要ありません」
とでも書いておけば、書誌情報の表記ゆれも、長い呪文を生成することも、出典欄の取っ散らかりも未然に防ぐことができます。
ですので、新規記事を作成するとき「出典」と「参考文献」の欄をあらかじめ作ってしまい、あとは紐づけていくだけ、というやり方もあるということです。
追記:Wikipediaには、ものすごくたくさんの出典、参考文献に関するテンプレートが用意されています。
Wikipedia:出典テンプレート - Wikipedia
Category:出典テンプレート - Wikipedia
これらは「こうなっていると便利だよね」という善意が生み出しているものなのですが、数の多さや複雑さに面食らってしまう場合もあります。
幸いにしてWikipediaは、編集画面を開けばどういう風に記述されているか何となくわかるようになっているので「この記事のこのやり方を参考にしたい」と思ったら(間違ってへんな編集をしちゃわないように)そーっとのぞいてみてごらん、でいくらでも真似ができます。
ただし、出典のつけ方にも機能強化などの理由から流行り廃りがあるので、なるべく最近できた記事を参考にするといいでしょう。
アカウントを持っていれば、自分の利用者ページに「下書き」のページがあります。
参考になりやすい体裁や呪文を、一旦「下書き」にコピペしてきて、いろいろ試してみるのも良いと思います。
コピペをする際はどのページから持ってきたということを必ず要約欄に書いてくださいね。