Racco

ウィキペディアのこととか。

第3回 TDUウィキペディアタウン in千住 スライド

そんなわけで、🐵去る9/16に行われた、第3回 TDUウィキペディアタウン in千住 で使用した、3部に分かれているスライドをひとつにまとめてアップロードしました。

東京電機大学ウィキペディアタウンは、環境に恵まれている部分が非常に大きいです。

1.普段は入ることができない大学の図書館に入ることができる
2.駅から近い
3.宿場町として古くから栄えた場所なので、題材に事欠かない
4.ノートパソコンは大学側で用意してくれる(自分のを持ち込んでもOK)
5.大学のネットワークが使用できる
6.大画面モニター、ピンマイク、音響、ホワイトボード、マーカー、大きな白い紙、付箋などがある(いつも準備していただきありがとうございます)
7.フィールド・ワーク時に荷物を置いておくための施錠ができる部屋がある。
8.ランチが出る(いつもありがとうございます
9.飲み物もつく
10.お土産まである(いつもありがとうございます
11.スケジュール管理がしっかりしている(延ばしてしまう講師
12.資料や、PCのセッティングなど、スタッフさんがしっかりケアしてくれる。

地域資料という面では大学の図書館にはあまりなくて、地元の図書館からあらかじめ借りてくることも多いのですが、その点以外はとても恵まれた環境です。

その上、大学側が継続的にイベントをやっていこうという目的で、オープンキャンパスなどでも成果発表をしている。

そんな環境が整えられることはほかではあまりないかもしれませんが(私はそこに甘えている部分も)、そういったことを踏まえての、スライドであるということでよろしくお願いします。

 

www.slideshare.net

【第3回 TDUウィキペディアタウンin千住】


めでたく終わりました。無事に帰宅いたしました。

千住郵便局電話事務室
柳原千草園
2つの記事が新規作成されました。
ほとんどの方が初心者と言っていいくらい編集経験が少ない中、ものすごい熱気で編集作業が行われました。

イベント中も話したのですけど、どちらの題材も今まで存在すら知りませんでしたという対象にも拘らず、3時間ほどで記事ができてしまうのは、ほんとすげえなと。

題材としては難しいのです。今回のふたつ。

柳原千草園は、植物が豊かな公園です。でもそれほど歴史的な謂れがあるわけでもなく、資料も少ない。だけれど、今後この土地の変遷が明らかになる資料が出てくれば読みごたえのあるものになりそうな予感。

もうひとつのほうは郵便局の電話事務室。
タイトルだけ見ればこれがなぜウィキペディアの単独記事として成立するかという疑問が浮かぶかもしれません。
記事を読んでみれば、ウィキペディアに記事があっていいねと思っていただけると思います。

先日も書きましたが、今回はこんな順番でやってみました。

集合! クリアファイルとボールペンのプレゼントあり。

→サラッと今日やることの説明(10分くらい?)
ホントにあっけないくらいに、説明は終わって、さあ出かけましょうとなりました。

→ゴーゴーフィールドワーク
12名が二班に分かれて、徒歩15分ほどの目的地へ。

→幸せランチ
TDUのウィキペディアタウンはご厚意によりお弁当が出ます。
名店「かどや」の槍かけ団子がデザートで出ましたが、これはあらいちゃんのご厚意。

ご飯食べたら希望者は普段は入れないTDUの図書館を見学できました。

→編集のやり方と考え方
いつもの4分動画「事実が重要」をさらっと流して。
今回は、記事を編集するときの呪文について、基本的なものを細かめに説明してみました。 で内部リンクになるよとか、== ==でくくると見出しになるよとか。
実際に記事に一か所出典をその場でつけるなどして、オペレーション部分の説明を長めに。

→編集
いつもの大集中タイム。時間的にはだいぶ押しましたけど、すごい熱気でした。なんでそんなに夢中になってんねんってくらい。

→振り返りとWikipediaの理念
この時間も今回は多めに取りました。
今まではWikipediaの理念、ライセンス、オープンデータなどについて編集前に説明してたのですけど、今回は事前に説明は最小限にして、実際に編集をした後に「今日やったのはこういうことなんだよ」という説明を加えながら行いました。

また、質疑応答も事前に脅して、なるべくどんどん質問が出るように工夫しました。

客観的なイベントの評価は、参加者の方がレポートしてくれるかもしれませんけども、大学側からは今回の熱気はすごかったですねとご感想をいただきまして、この順番はありなのかもってちょっと思った次第。

楽しかったね。面白かったねって思ってもらえてるといいな。

最後になりましたけれども、今日来てくださった、とくに図書館関係の皆様。お名前を出していいかどうかわかりませんのでひとくくりで書いてしまいますが、本当に来てくださって感謝感謝です。真剣に取り組んでくださって感謝感謝です。(追記:すげえメンバーだったよ)

また、Facebookで馬鹿なことばっかり書いている私が、海獺という名前で何をやっているかを見ていただける機会でもあり感謝感謝です。

第4回も早くも予定されているようなので、また頑張りまする。

あー! 帰りにもう一つプレゼントがあって、USBハブが全員に! こんな大盤振る舞いのウィキペディアタウンはそうそうないですよ。


バリアフリー

保護者の皆様へ:現在位置の座標がわからないまま行動を起こすのは困難というおはなしです。

皆さん、バス乗りますか?🚌
郊外から乗って、そこそこ大きな駅のバスターミナルに着く。そんなことをイメージしてください。例えば、午後から雨が降った日。夕方から夜にかけては、駅前のロータリーにたくさんの迎えのマイカーが陣取ります。駅までの道も渋滞したり。バスがターミナルに着く。
雨で混んでいて、ターミナルもバスが多くて。
そんな時は、降車する位置がランダムになります。私が実際に危ないなと思ったのは、茅ヶ崎の駅で。

バスが停まったのは柵がある場所で、駅に登る階段に行くには、前後左右を見回して柵のないところをまず探さないとならない。柵がある所で降りるのはレア。多分禁じられてるだろうけど、その場その場の判断で、遅れを取り戻そうとしたり、早く移動させないといけなかったりの事情で常態化してる感じ。柵があるのはいわゆる歩道との境目。バスターミナルだから通常よりも少し高い歩道。

私がバスから降りようとした時、というか、降りる前から気にしていたのは、白杖を持った方がバスに乗っていたから。その方の見え方がどの程度かわからないし、白杖を上げたわけでも、運転士さんにどの辺で降りることになるか聞いた訳でもない。だけどやっぱり気になって、その方の前で降りて、降りたところで待って、その方がバスのステップを降りきったところで、声をかけた。
『柵のあるところで降りていますけれど、何かお手伝いは出来ますか?』
その方は『ありがとうございます』と言って私の腕を軽く掴んだ。

その時は駅に登るエスカレーターまでご一緒した。
乗り物としてのバス自体は、すごくバリアフリーが進んでると思う。

でも、一旦考えて欲しいのは、あなたが、雨の日の、混んでいるバスターミナルの中で、どこに降ろされたかわからない、目の不自由な人だったら、何を頼りにするのか?ってこと。
一年くらい前にも同じようなことを考えた。答えはまだ出てない。

ウィキペディアの由比ヶ浜の記事にシロナガスクジラの画像が載ったよの巻

BGMは四人囃子の「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」でどうでしょうか?


【写真を撮っておくということ】

2018年8月5日に、神奈川県鎌倉市由比ヶ浜海岸に鯨が漂着しました。
近所に住んでいらっしゃるNさんは、打ち上げられてしまった鯨の写真を撮りに、現場に向かいました。

打ち上げられた個体は、その後の報道などによれば、当年生まれのシロナガスクジラの子供でオス。日本にシロナガスクジラが漂着した記録はなく、初めてだと思われるということです。

Nさんが撮った写真は、ウィキペディアにちょっと詳しい海生哺乳類Rさんとのメッセージのやり取りで、ウィキメディア・コモンズにアップロードされました。

それと並行してRさんは、Web上にある報道を出典として、ニュース記事が一定期間後webから消えてしまう可能性も考慮し、WaybackMachineのサイトでアーカイブして、由比ヶ浜シロナガスクジラの記事に、今回の漂着の件を加筆。
Nさんの画像がウィキペディアにめでたく載りました。
(*'-')//”パチパチ☆


【経緯裏話】

実はNさん。K県にあるK市K図書館のかたでして。
(クークラックスクランではありません)
漂着のニュースを受け、図書館でも臨時にシロナガスクジラの展示を行いました。

今回、ウィキペディアに使えそうな画像を選ぶにあたり、人の顔が映りこんでいないもののほうが良かったのですが(肖像権の問題)、クジラがわかりやすい画像をチョイスし、個人が特定されそうな個所を加工することにしました。

加工にあたっては、こんな風にするとか、こういうフリーソフトがあるとか、Rさんが紹介(GIMPとか)。
Nさんはフォトショップを使ったことがあるので「あ、GIMPもつかったことある!」とかで、加工もスムーズ。

ウィキメディア・コモンズにアップロードすることも問題なくできたのですが、カテゴリをどうするかで、ちょっと躓きました。
類似の記事や画像を参考に、カテゴリをつけました。「Dead Whales」というなんともそのままなカテゴリ。

こういう画像のコモンズのカテゴリ付けはとても難しいのですけど、さしあたって「シロナガスクジラ」と「クジラ」でコモンズの検索して、ラテン語と格闘しつつ、類似の画像傾向を探しつつ、いろいろ探っていった結果、
Category:Beached whales
Category:Balaenoptera musculus
のふたつのカテゴリをR氏は付けました。
コモンズの画像をウィキペディアに呼び出す手順も、他の記事を参考にして、めでたく。

この一連の楽しく悩んだ経験は、今後K図書館がウィキペディアイベントを開催するにあたって、役立つように思います。

「自分が撮った写真がウィキペディアに載っている」ことの誇らしさってありますよね。

f:id:RaccoWikipedia:20180812202517j:plain

File:Shironagasukuzira-Balaenoptera musculus-City kamakura.jpg - Wikimedia Commons

記事はこちら 由比ヶ浜 - Wikipedia

 

【トピックを見極める】

今回のニュースは何と言っても

  1. 現存する最大の動物種であるシロナガスクジラ
  2. (記録上)日本で初めて漂着した(と専門家が言ってるソースがある)
    ことが大きな要素となります。

注)実際には記録によると日本で4例目のようです。



ウィキペディアに載せる価値のあるトピックかどうかって、実はとてもデリケートで、特に地域でウィキペディアイベントをするときなどは、両方向の意味で判断が鈍る場合があります。

  • これはこの地域では誰でも知ってるくらい有名だからウィキペディアに載せる価値がある、という主観的な評価
  • これはこの地域では誰でも知ってるくらい有名だからウィキペディアにどう書いてあるかなんて気にしなかった

後者は、たびたび引き合いに出して申し訳ないのですけど信州サーモンなんかはその典型です。
海に隣接していない長野県で、いくら川を遡上するといわれているとはいってもサーモン(鮭)が??と、東京の私は素直に思うわけです。びっくりなのです。でも現状、信州サーモンについての記述は、ウィキペディアではとても寂しい状態です。

 

【地域につなげるために】

さてさて。ウィキペディア編集イベントのとっかかりとして、その地域再発見というようなキーワードが掲げられることが少なくありません。

今回のようなニュースを記録していくためにウィキペディアという場所はとても適しています。報道での写真は残るでしょうけれども、コモンズのような場所に画像を置くことで、使用される範囲が広がります。

大きな要素でないとウィキペディアには載せにくいのではないか、と一見思われるトピックが対象だとしても、客観的にもう一度見直すことで、ウィキペディアに残しておくというチョイスができるかもしれません。

地元のことを考える→ウィキペディアにはどのように書いてあるのだろう
この反復は、地域の問題を考える人たちにとって結構重要なことではないかと思います。

そこから、資料をそろえ、情報抽出する、記述するという意識に変換させていくことで、いろいろな人を巻き込んでいけるというのも、ウィキペディアという媒体の魅力だと思うのです。

とても口幅ったい言い方になりますけども、Nさんは海生哺乳類Rさんと知り合いでなければ、撮影した画像がウィキペディアに載ることはなかっただろうと言っています。

ウィキペディアに書けるよ、画像が載せられるよ、という道筋を紹介して、それはウィキペディアを閲覧する人々の知識の助けになるよ、そこからさらに知識が広がっていくよ、と、橋渡しを続けていきたい、と私は思っています。




【したがきペディアをつかった事例報告】

 6月から7月にかけて、したがきペディアを使った事例がありますので、ざっと報告をいたします。

H大学にて、Tさんによる授業をお手伝いするという形で、何回かある授業のうち最初と最後にオンラインでウィキペディアの説明と質疑応答などを行いました。

授業の中で、ウィキペディアに既にある記事をしたがきペディアに移植して出典をつける練習をしたり、新規記事を作ったり。

オンラインで説明する際に通信システム的なトラブルはありましたが、学生さんたちはとても楽しく取り組んでくださったそうです。

なんといっても、その成果がウィキペディアに反映されたことで、達成感もあったのではないでしょうか。

そんなわけで学生さんたちの成果をご覧ください。
私がしたことはウィキペディアについてのお話と、編集に関する資料を配布したくらい。
それでもこんな立派な記事が😃

 

 

善道寺 - Wikipedia

中学生が無免許で車を運転して事故を起こし同乗者の女の子が亡くなった事件で思うこと。

事件の詳細は、とりあえず置いといて。

TwitterFacebookにこんなことを書きました。

免許証をセットしないと車が動かないシステムを作るのは簡単だろうに、なぜそうしないのかな?

これに対して、ギャグ・真面目織り交ざったいくつかの意見をいただきました。
強引にまとめると、

  • すべての車にシステム搭載が義務付けられないと意味がない
  • システムを搭載することにより車両の価格が大幅に上がる
  • 未成年の免許証泥棒が増える
  • 車に入れっぱなしになる可能性が増える
  • 指紋認証が良い
  • 輸入障壁になる
  • 関税障壁により廃止になる
  • 免許証を借りてしまえば運転できる
  • 無免許運転は少ないので費用対効果が悪い

などがありました。

私が想定するメリットは、

  • 免許がない人が車を運転の抑止
  • 事故や違反時に誰が運転していたかの明確化
  • 期限切れや条件違いの防止
  • 防犯効果
  • 免許証不携帯防止
  • 保険適用範囲の明確化

などです。

会話の中でTASPOを引き合いに出したのですが(適切でない例であったかもしれません)、未成年者の喫煙を防ぐとき、手に入りにくさを推し進めることで一定の効果はあったように思います。
もちろん、TASPOの貸し借りやヤミ的な販売など抜け道はいくらでもあります。
しかしながら、今回のような「中学生が無免許で運転をして同乗者を死なせる」という事件がひとつでも減るならば、抜け道を想定するよりも、導入することで助かる命があることが大事ではないかなと。

ひとつのシステムを構築しようとするとき、「このような事故が今後起こってほしくない」という目的があります。ルール、法律なども同様でしょう。
「こんな対策ではいくらでも抜け道がある」あるいは「こういう事態を想定したとき効果がない」という意見はもっともだと思うのですが、すると「津波に備えてどのくらいの高さの防波堤を作ればいいのか」「自身に備えて耐震基準をどのように設定すればいいのか」「病気に備えてワクチンをどのように接種すればいいのか」という、答えにたどり着かない議論になってしまうように感じました。

ないよりましなものでも検討していくことで、忌まわしい事故が減るならばいいのではないかと。

恐らくですが、システムは技術的には難しくないと思います。
SUICAETCカードの導入を見ても、容易に想像がつきます。
仮に輸出入の問題があったとしても、日本で運転するときはシステムを搭載するという後付け装置でも可能でしょう。

すると、この誰でも考えそうなシステムができないのはなぜなのかなと、自分なりに考えてみると、もしかするとですけれども、コトが起こった時に、あとから誰でも検証できるような証拠が残るようなシステムがあるとすごく困る人々がいるのかなと。

陰謀論とかそういうのではないのですけども。

ただ、スマホやPCの個人認証、ネットの個人認証と比較しても、人の命や財産に、それも他人の命や財産に大きく影響するクルマの運転はものすごくリスクが大きな行為です。今後自動運転の流れが進めば、なおさら管理責任者の明確化がなされていないと、被害者が救済されづらくなります。

好奇心が勝ってしまう世代の抑止力のひとつとして、こんなものを検討してくれるといいなぁ・・・。



 

 

 

TDUウィキペディアタウンin千住

昨日の東京電機大学で行われた「TDUウィキペディアタウンin千住」のちょっとした報告を。

参加者数からのアジャストで、七福神の神社をそれぞれひとりひとつ担当し、全体をひとりが担当する形になり、ウィキペディアには「千寿七福神」という新規記事ができたわけです。

実はウィキペディアには各地の七福神の記事があります。カテゴリによれば、その数50(千寿七福神を除く)。

Category:七福神めぐり - Wikipedia

テーマが千寿七福神と決まった時、私は参加者にこういう形を目指すといいよというさしあたっての目標になるような他の七福神記事を探して、この50個の記事をすべて閲覧してみました。

残念ながらほとんどが単にリストだけであったり、記述も短いものしかありません。
単純に記事のバイト数で見ても1万バイトを超えるような記事はありません。

地域の七福神は多種多様なので、祀られている場所の単独記事があったりなかったりなので、〇〇七福神の中でそれぞれの神社などにどこまで言及されているか、「千寿七福神」ではどうするか、ある程度のあたりをつけなければなりません。

まだ単独記事になっていないそれぞれの神社などがあるので、では概要程度に書いていきましょうという指針を示し、「千寿七福神」の記事の中である程度の統一感も視野に入れました。

今回の時点での出来上がり(これを書いている間も編集は続いているようです)では、カテゴリにあるほかのどの記事よりも長く、出典も多く、各場所に言及されている記事となりました。

「〇〇七福神」の記事は、どのように書かれるかはまだ検討の余地があるものの、既存の記事と比較しても、「千寿七福神」はより閲覧者に役に立つ記事になったと、参加者の方々が胸を張れるものになったと思います。

千寿七福神 - Wikipedia

「千寿七福神」でググると、わずか20時間前にできたウィキペディアの記事が上位にヒットします。参加者の皆さんが何をしたのかということを、こういう面からも取り上げて、この活動が地域や調べ物や閲覧者にどう役立っていくのかの感触をつかんでもらえたらなと思います。