いわゆる名称としてのBlack Musicを聞かずに育った。
今となればこの呼称はレイシズムと言われても仕方がないものだけども、いわゆるファンキーな音楽はあまり好んで聞かなかった。
Queenがファンク寄りの曲を出すようになっても、自分の中ではQueenの曲としてしか認識していなかった。
だから私のベースはいつまでたってもグルーヴが出せないままだ。
それでもChicは知っている。「おしゃれフリーク」はヒットしたし、デュランデュランのメンバーたちと組んだPower Stationの「Some Like It Hot」は文句なくかっこいい曲だった。
ChicそしてPower Stationのドラマーである故トニー・トンプソンはマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」やデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」でもドラムを担当していた、一音一音が重たいドラマーだった。
Power StationのプロデュースはChicのベーシストの故バーナード・エドワーズ。Chicの「グッド・タイムス」のベースはQueenの「Another One Bites The Dust(地獄へ道連れ)」の原型と言っていいフレーズだった。
そしてChicのギタリストのナイル・ロジャース。前述のマドンナやボウイのアルバムのプロデューサーとしても名高い人である。1983年から84年を初めとして、80年代を代表するプロデューサーの一人だろう。
さて。
Queenの先だっての来日公演は、とても好意的な評価が多かったように見えた。
映画「Bohemian Rhapsody」でのQueenの再評価以降初めての来日であり、フレディ・マーキュリーを感じたい人たちにとって、フレディではない人物が歌うことを再度意識するものだった。
アダム・ランバートは2009年にオーディション番組で注目を集め、それをきっかけにQueenのメンバーから一緒にやらないかと誘いを受けたという。
結果的に2020年のQALのコンサートでは、アダムに対する評価はとても高いものとなった。
他方、彼にはやりたい音楽がある。
ナイル・ロジャースのと共演曲の「Rose」が先日リリースされた。
彼は最近のインタビューでこう言ったらしい
「誰かを定義するには、ただ純粋にその人であればいい」という思いから、「『カミングアウト』という言葉を廃止しよう」
彼はLGBTQ+団体を支援するNPO基金「フィール・サムシング・ファンデーション」を設立した。
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アダムさん。この曲をこんな風に歌えるのならばQueenの「You Don't Fool Me」をカバーしてください。