Racco

ウィキペディアのこととか。

凌雲閣の基礎とレンガ

 

きっかけはこのふたつのツイート。

 

 そして新聞記事。

www.tokyo-np.co.jp
このあたりが参考動画。

 
貴重なものには違いない。

基礎のラインがとても分かりやすいのはこちらのツイートにある画像。

 

2018年2月13日の朝。仕事で浅草近くまで行くので、一時間ほど早めに家を出てスマホで撮影しようと思い立った。新聞記事によれば、工事はそのまま進められ、保存されることはないそうだ。すると工事が再開されて破壊される前に撮影しなければ二度と見られないし、基礎工事で開口している現場は普通に考えればすぐに仮囲いが復活するだろう。そうすればもう撮影はできない。

あとでツイートした通り、いろいろな人がこの件に興味をもって撮影をするだろう。その中の誰かがウィキメディア・コモンズなどにアップロードしてくれるならば、記録として残っていくだろう。報道で使われた写真も残るだろうけれども、ネットニュースはいつの間にかアクセスができなくなってることもよくある。自由に使えるような形で残しておくことは必要。
だから、ダメもとでも、とにかく現場に行こうと思った。自分が撮影できればそれに越したことはない。

現場につくと、現場の親方らしき人が誰かと話をしている。話が切れたところで恐る恐る声をかけ、レンガ部分を撮影していいですかと許可を得る。快諾を得る。

親方と話をしていた人物がこっちを向いた。見覚えがある顔である。

 あとで知ったが、坂崎氏は凌雲閣マニアだそうだ。

www.ricoh-imaging.co.jp


坂崎氏にも写真を撮ってよいかと尋ねた。快諾をいただいた。

後日談。この時について坂崎氏は自身がパーソナリティを務めるラジオで言及してくださったそうで、ウィキペディアの凌雲閣の記事に使われている画像に、坂崎氏の脚が写りこんでいることにも触れてくださった。

さて、当日の様子。
他の方の前日までのツイートで見た現場とは、少し違い、基礎のコンクリート部分の一部がすでに斫(はつ)られていた。

この日、私が現場を離れてすぐの時間帯に(私が訪ねたのは工事現場のいわゆる一服の時間である午前10時過ぎ)希望者にレンガを配っていたそうだ。

breaking-news.jp


大正ロマン。と言えるものだと思う。

ウィキペディアの編集イベントでもそうだが、その時に記録しておかないと、取り返しのつかなくなるものは確かにあって、自分の人生の中で凌雲閣というものがあってもなくても大差はないかもしれないが、自分が撮影しアップしておくことで、誰かの知識が一つだけでも増えるかもしれない。

坂崎さんが持っていたカメラは、オリンパスのOM-Dだった。
貴重なものを撮影するときに、良い機材で鮮明に残していくことも重要な要素ではあると思う。
でも、その対象を撮影できるチャンスには、機材は選ばなくていいと思う。
私がこれまでウィキペディアにアップした画像はいくつかあるけれども、スペイン語版、ロシア語版、中国語版でも使っていただいているこのヒガンバナの画像は、ガラケーで近所を散歩しているときに撮影したものだ。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3b/Higanbana_red_white3.jpg

記録とはそういうものだろうと思う。

街を歩いていて、見慣れた通りの景色の中、更地になっていたり、工事が始まっている場所を見たとき、ここに何があったか思い出せないことはないだろうか。
古くからの友人と地元のことを話しているとき、あの場所はもともと何があったのかを思い出せないことはないだろうか。
地域をアーカイブしていくという行為は、その瞬間しかできない行為なのだなと改めて思う。

さて、現地に撮影しに行ったよというツイートに対してはこんなうれしい反応もあった。

 

帰宅して、画像をウィキペディアにアップ。

凌雲閣 - Wikipedia
右上のわずかに見える赤い靴ひもの方が、坂崎氏。

f:id:RaccoWikipedia:20180218014043j:plain


歌川国貞による絵はまだアップされていないようだし、

f:id:RaccoWikipedia:20180214005726j:plain

 

 まだまだ、加筆の余地がありそうな題材だと思うけれど、今はこれでちょっと満足。

あまり偉そうに書いてしまうのもアレなんだけども、これを読んだ人たちが、記録を残すことは必要だと感じてくれて、いろいろな貴重な画像を(もちろん肖像権とか著作権とかに配慮されているものです)ウィキメディア・コモンズにアップしてくれるようになるといいなと思う。

www.slideshare.net

www.slideshare.net


2/15追記
浅草観光連盟 事務局の方のツイート。 

 今回、たくさんの人がレンガをもらっているという話をツイッターで多く目にした。

 以前お会いしたLiam Wyattさんの座右の銘(?)は"Peace, Love & Metadata"というものだった。この言葉はかなり印象に残っていて、ある情報に対しての、それを説明する情報、付加されるデータというもの。
今回のレンガも、もらってきてそのままにしておけばただのレンガであり、由来はわからないことになる。それを撮影して、何月何日にこういう理由で手に入れた何々ですよという情報を付記して、現物と一緒に保管しておく。情報をアーカイブしていく上においてこれはとても大事なこと。

f:id:RaccoWikipedia:20180215105625j:plain




さてさて。

7月も注目。

 


いろいろなまとめ。

浅草十二階 凌雲閣の赤レンガ遺構(とみられるもの)を見てきた: 骨まで大洋ファンby革洋同

特にこの図がわかりやすい

浅草12階 凌雲閣 (23)

 

 

デイリーポータルZさんは、高さにこだわり。

portal.nifty.com



建物そのものについての資料

浅草十二階(凌雲閣)計画

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4791758935/