Racco

ウィキペディアのこととか。

イベントとしてのいわゆるウィキペディアタウン界隈

*『個別のイベントや関係者に対しての批判ではない』と前置きします。

ウィキペディアタウン(Wikipediaを編集するイベント)は今年も各地で行われてて、対外的に最も把握しやすいのは、開催情報が記されているページと、

プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン - Wikipedia

開催後のアーカイブです。

プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン/アーカイブ - Wikipedia

本日時点で今年は15回の開催を数えています。
今週で10週目ですから、今年も70回以上開催されるでしょう。

 

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さて、Wikipediaの編集者の中には、Wikipedia編集イベントをあまりよく思っていない方もいらっしゃるようです。

『編集初心者がやってるからではなく、経験者がついてるなら、もっとしっかりやるべき』だとか『既存記事の加筆は歓迎しないぞ』のムードとか、あるいは『街の宣伝記事を増やすな』とか。
それぞれのWikipediaに対する愛情や想いがそういった声になる時もあるでしょう。

 

もし私がそのイベントに関わっていたら『これは執筆対象としてチョイスはしないだろう』と思う題材の記事も複数生まれていますし、中には記事として最低限ラインを満たしてなかったり、表示のエラーがあったりしても、イベント後に手を入れてもらえないままというケースもあります。

 

ウィキペディアタウンは、とにかく開催ありきで考えるものではなくて、先に目的があり、イベントをやると決め、その上でウィキペディアタウンが合致するかを考えないとダメ』
ウィキペディアタウンをやりたいという話を頂いたとき、(一緒にイベントした人はわかると思うのですが)私はイベント目的も含め細かい打ち合わせを重ねます。それは目的を理解し成果を上げるために、主催者側の視点で考えます。

 

他方、Wikipediaという場所を借りてのイベントなので、迷惑はかけたくないのです。全く迷惑をかけないのは難しいですから、極力、最小限になるように。

 

イベントで大事なのは参加者の方が感じるプロセスの部分。でも、Wikipediaには百科事典の項目として役立つものと言えるくらいまでは手を入れておかないと、イベントによる食べ散らかしになってしまいます。

 

先日行われたあるウィキペディアタウンでは、どうやらWikipediaに詳しい人がいなかったのではないか、ということが履歴から推測でき、それに気づいたウィキペディアンがおり、その方の発言から私も気づきました。

 

そのウィキペディアタウンで作成・編集された記事は、少なからずイベントとは関係のないウィキペディアンの手を煩わせています。
イベント参加者にウィキペディアの基本的な決まり事に対する理解が不足していると思わせる顕著な事例であり、ある記事は削除され、ある記事は大幅に手をいれなくてはならず…つまりは良い事例ではないです。

 

自分が関係していないウィキペディアタウンは、別にどうでもいい……わけではありません。私がどこかのイベントで編集された記事に手を入れているのを見たことがある人もいるでしょう。


自身がイベントに携わったかどうかは問わず、ウィキペディア編集イベントで知られているウィキペディアンの中でも、そういったフォローが必要だと思い積極的にやる人もいるし、やらない人もいるということです。

 

あくまで、ウィキペディアという所を借りてイベントは成立しているし、イベントをやるにしてもやりやすくありたい。主催者にも同様に、ウィキペディアってとこが衆目を集めるところであり、大きな幹があるからこその魅力であり、だからこそイベントとしてやりたいと思うのだ、ということを意識して欲しいと思ってます。

 

私は今、Facebookグループのウィキペディアタウンなどに所属せず活動していますが、たまに情報を求めて公開グループを見る場合があります。
そこには私が期待しているような活発な事例報告や研究、トラブル報告、成果報告などはありません。
どのイベントに誰が行ってどんな項目を編集したのかも、ひとめでわかるようにはなっていません。

 私のオフライン活動はできる限り公にしています。

利用者:海獺 - Wikipedia



もし仮にしっかりとアーカイブされるような形でイベント報告をしていこうという意識が共有されていない、あるいは重要視されていない、ということだとしたら、私からするととても不思議で、ウィキペディア編集はある意味アーカイブの手段のひとつだということを重要視していれば、イベントの記録も非常に重要なものだと思い至るはずなのに、と感じます。

 

性質によってはクローズなイベントの場合もあるので、すべてが公に記録されなければならない、とは思いませんけれど、自分達がやってる事をもっと俯瞰で見る人が増えるといいなと思って書いてみました。

誰も海獺のように取り組んではいないよ、という事ならそれはそれかなあとも思います。


ただ、私はけっこう真面目に取り組んでいるつもりです。